3時間目は自習になった。
プリントを提出すればいいっぽい。
始まる前の休み時間、あたしは明日香の席へ行った。
逆にソウちゃんの方へ行った中川くんの席に座る。
「あんた随分余裕そうじゃん。朝のパニックはどうしたのさ」
明日香が授業中だけかけている眼鏡を外した。
「いや、明日香が言う通り、ソウちゃんはバカでボーっとしてるんだよ」
「は?」
「だって見てよ、超普通じゃない?だったらあたしも普通だし。そもそも会話してないから普通!いつも通り!」
明日香が首を傾げてソウちゃんへ視線を向けた。
「ルウコがそう思うなら別にいいんだけど・・・」
何だか困った笑顔を向けてきた。
「ん?どうしたの?」
「ルウコって後ろの席でしょ?だから顔見えないじゃん。あたし、地味に高柳を観察してたんだけど・・・」
「え?」
周りを確認してからあたしの耳元で囁いた。
「高柳やっぱり変だよ。カッチーンって固まってるんだけど」
「ええええ!?」
思わずソウちゃんの方を見る。
確かにここからバッチリとソウちゃんの顔は見える。
でも、中川くんと楽しそうに話してるみたいだけど・・・?
「ま、ルウコは鈍いから。普通だと思うならそれでいいじゃん。それにルウコの方が高柳に関してはわかってるんだろうし」
明日香の意味深な言葉と同時にチャイムが鳴った。