近くでブラブラしてたという綾乃さんはすぐに迎えに来てくれた。
しょんぼりしているツナミの事情を説明すると、
「大丈夫よ。ソウちゃんは楽しんできて」
と笑顔で言ってくれた。
ツナミを預けて店に戻ると、幹太と明日香が三上に文句を言っている。
「ツナミは?」明日香がボクに言った。
「綾乃さんが連れてった」
座り直して焼酎を頼むと三上がボクに色々聞いてくる。
「ソウって彼女いるの?」
「は?いるワケねーだろ?」
「柏木さんが亡くなってもう4年じゃん、誰かと再婚したいと思わないの?」
「ガキもいるし店忙しいから。そんな暇ないしする気もねーよ」
「だってあたし達まだ30よ?それにソウって若く見えるじゃない、再婚してもいいと思うけど」
「景子、いい加減にしなよ」明日香が尖った声で言った。
ボクは少し考えてから三上が何を言いたいかを理解して、そして言った。
「三上、オレは誰とも結婚も付き合ったりもする気はない。一生な、だから子供の前であんな残酷な事言うのはやめてくれよ」
三上はハッとした顔になり下を向いた。
「ソウちゃんが再婚なんてしたらあたしが頭蹴り飛ばすよ!」
明日香の言葉に笑ってしまう。
「それルウコにも言われた。ま、そういう事。オレは一生ルウコの旦那」
幹太が涙ぐみながら何度も頷いていてそれを見て明日香と笑った。