電話を勝手に切って「綾乃さーん」とリビングに戻って行く。
深々とため息をついてボクも戻ると、クラス会に参加すると喋っていた。
「ご飯だけならいいよーだって。父ちゃんはその後もあるの?」
戻ってきたボクに聞いた。
「あるよ。夜中までだからツナミはどっちかに預けようと思ったんだけどな」
ブツブツ文句を言うと綾乃さんが「ウチで預かるわよ?」と言った。
「一次会って終わるの9時くらいかしら?私がツナミを迎えに行くからその後、ソウちゃんはゆっくりしてなさいよ。ツナミは泊まらせるし、たまには1人でのんびりもいいんじゃない?」
「でも・・・」躊躇うボクに豪快に笑う。
「私だって孫と一緒にいたいのよ、ゆっくりしてきなさいって」
ありがたくお願いする事にした。
「何着てこうかなー。父ちゃん、髪の毛可愛くしてね?ママみたいにしたい」
ルンルンなツナミが言った。
「ママみたいに?ママはまっすぐなストレートだったからパーマをかけてるツナミには無理」
「じゃあお団子して大きなモコモコしたお団子!服はぁ、買ってよ!ピーチラビットのワンピース!」
ピーチラビットとは女の子(小学生)に絶大なる人気があるブランド。
値段もとっても素敵。殴りたくなるほどに。
「ウチにはピーチラビットを買うお金はありません。だから前にばあちゃんに買ってもらったスカート履けよ」
「ピーチラビット?私が買ってあげるわよ」
綾乃さん・・・調子に乗るからやめて下さい・・・。
ツナミは大喜びで柏木家のPCでHPを開いて「これ!」と綾乃さんに説明している。
チェックとドット柄が混ざった派手派手な子供服を指差している。お値段2万円也。