「預かろうか?ツナミの事」


綾乃さんが言うとツナミが「父ちゃんどっか行くの?」と聞いてきた。


「高校のクラス会。5年に1回あるんだよ。今年30だからそりゃあるわな」


「あたしも行きたいなぁ〜、明日香ちゃんや幹太いるんでしょ?会いたい!」


しばらく明日香や幹太にも会ってないかもしれない。


「ハガキ出すの面倒なんでちょっと忘れないうちに電話してきます」


席を立って廊下に出て幹太の携帯に電話をする。


『はいよー』という元気な幹太の声の後ろでは2歳の双子のやかましい声が聞こえている。ミサの「うるさい!」って声と一緒に。


「オレー、クラス会のハガキ出すの忘れてたから電話で返事でもいい?」


『おー、参加でいいんだろ?』


「うん。明日香にも言っておいてよ。それとハガキ作った子にルウコはいないって・・・いいや、会ったら説明するわ」


ボクと幹太が喋っているとツナミが走ってきて電話を取り上げた。


「もしもし、幹太?ツナミだけど」


「ツナミ!!うるせーって。関係ない話してんだから」


ボクが言っても電話を渡さない。

仕方ないから電話に耳を当てて会話を聞く。


『ツナミか、ルウコちゃんかと思ってビックリした。元気か?』


「ママじゃないですよーだ!元気だよ、ねぇ幹太、ツナミも父ちゃんと行きたいけどダメ?」


「アホ!!何言ってんだよ!」ボクの言葉は完璧に無視。


『一次会・・・最初に飯食う時だけならいいよ、おいで』


幹太が余計な事を言った。