「ルミ元気?順調ですか?」


話題を変えようとルミの話を振ってもため息をついている。


「ルミも段々ルウコに似てきてるんだよ・・・、まぁ、ルウコはお母さんにそっくりでルミはちょっとオレに似てるけどやっぱり姉妹だから、ルウコが妊娠した時を思い出す・・・順調のようだよ?あんな生意気な子にはもったいないくらいな旦那だしね」


確かにルミはルウコに似ている。

でも雰囲気が全く違うから、ボクはそれほどルミを見てルウコを思い出したりはしないけど。

ルミは生意気なまま24歳になって、勤めた会社主催の合コンで知り合ったというエリートサラリーマンと結婚した。

姉のルウコの方はしがない美容師のボクと結婚したから気の毒に思う。


「そうなんだ、早く孫の顔見たいっすね」


「・・・ソウちゃんも本当にいい旦那さんだよ。ルウコがいないのにツナミを定期的に連れて来てくれるし、頼ってもくれる。ウチの子供達は口が悪いのに旦那には恵まれてるだな」


ツナミを見ながらポツリポツリと喋っている。


「どうかな?ツナミの育て方に問題あるかもしれないし。口は悪いし、男の子を殴って泣かせたりするし・・・今更あの性格が変わるとは思えないし。小さい時から口だけは達者だったから」


ボクが苦笑いをすると綾乃さんが「そんな事ないわよ」と言った。


「ルウコの子供の頃なんてもっと性格も口も悪かったもの。病気になった時だって、一時は覚悟して下さいって言われてたのに看護士を蹴っ飛ばすし、動けない様な時も『あの医者殴りてえ』って笹井先生にも本当に生意気だったんだから」


(笹井先生か・・・確か40にしてやっと結婚したんだったかな?)


眼鏡のマジメそうな顔が浮かぶ。

結婚したというハガキが来ていた。随分と若い嫁だった気がした。


『ハガキ』という言葉で急に思い出した。


「あ!!出すの忘れてた」と思わず言うと2人もツナミも不思議そうな顔をした。


「クラス会のハガキ来てたんですよね・・・、明日香と幹太が幹事だけど、ハガキを作った子はルウコがいない事知らないから連名で送られてきたんだ・・・」


確か、今月の末の週末だったような気がする。