慣れてきたのかツナミがいつもの様に話始めた。


「お母さんは?」


あたしがソウちゃんに聞くと、「入院の準備してくるって」と言った。


「ツナミ、プリンごめんね?病院出たらちゃんと作るから」


ツナミはあたしのベッドに半分身体を乗せて「絶対だよ?」と言う。


「うん、約束」


「オレ、笹井先生に呼ばれてるからちょっと行くわ」


ソウちゃんがあたしの頭を撫でてから立ち上がった。

その時わかってしまった。

ソウちゃんの手が震えている。


(あたし、もうダメなんだ・・・)


不安な顔は出来ない。

ツナミがいる。

ツナミが不安になったり泣く様な姿は見たくない。

それにあたしが泣く姿も見せたくない。


「わかった。いってらっしゃい」


笑顔で言うと「父ちゃんいってらっしゃーい」と陽気にツナミも言った。


ツナミがアニメの話をするのを聞きながら考えた。


26年か・・・・。

ソウちゃんと出会って9年、結婚して4年ちょっと。

病気が発病して13年。人生の半分なんだ・・・。


もう少し一緒にいたかったな・・・。

みんなよりも早く死ぬのはわかってた事だし覚悟はしてたけど、

26年なんて早すぎない?


昨日までソウちゃんと沢山キスをして繋がれたのにウソみたい。