しばらくして胸が少し楽になった。


「苦しかった・・・ビックリした・・・」


酸素マスクからのこもった声は聞き取りにくいと思う。


「落ち着いたって先生が言ってたよ」


ソウちゃんが椅子に座る。


「ツナミ、ママもう大丈夫だから座れよ」


それでもソウちゃんの後ろからあたしをジっと見ている。


(酸素マスクが怖いのかな?)


看護士にあたしは言った。


「子供が不安がるんで酸素マスク外して下さい」


「鼻からのはしてもらうけどいい?」


「はい」


看護士が鼻からの酸素に変えてくれた。


ベッドを少し起こしてツナミに笑いかけた。


「ほら、ママはもう大丈夫だよ?治った」


「ママ、本当に大丈夫?」


「うん。怖いマスク取れたでしょ?大丈夫」


そろそろと近付いてきてあたしの手を少し触った。


「ママの手冷たい」


「あはは、ちょっとママ寒いんだよね」


そういうとやっと少しだけ笑ってくれた。