『サア、オムカエノジカンデス』
クククって笑い声が聞こえてビックリして目を覚ます。
周りを見回して病院だなってわかった。
「ルウコ?」
ソウちゃんの顔が見える。
(声出ない・・・)
酸素マスクをされている、そして心電図の音。いつもより早い感じがした。
ソウちゃんに頷いてみせると、ホッとした顔になった。
「ルウコちゃん、苦しくない?」
笹井先生が現れて聴診器を当てながら聞いてくる。
(苦しい・・・)
伝えたくても言葉が出ない。
「苦しい?」あたしは頷いた。
看護士に何かを指示している。
「今、楽になる薬入れるからね。そしたら喋れる様になるから」
視線をソウちゃんに移すと目を下に向ける。
ツナミがソウちゃんの足にしがみついて不安な顔をしている。
「ツ・・ナ・・ミ、ママ、だい・・・」
大丈夫って言いたいけど伝わらない。
ツナミの目から涙がポロポロとこぼれる。
(大丈夫・・・には見えないよね)
精一杯笑顔を見せたつもりだけど、ツナミがソウちゃんから離れなかった。