数日動けないあたしの周りをツナミがウロウロしている。


「ママ、何見てるの?」


ベッドの上でPCを開いて動画を見てると覗き込んでくる。


「あ、これ父ちゃんと見たよ。あれ?これ知らない」


「だってママの方が進んでるもん。教えてあげようか?」


「ヤダー!」耳を塞いで聞こえないようにしている。


「ウソだよ、ツナミはお父さんとDVDで見なさい」


ソウちゃんママの声がした。


「ツナミ!ママの部屋入っちゃダメだって、ばあちゃんとお菓子食べよう」


「えー!ママずーっとお部屋にいるんだよ?ツナミも一緒に寝たいなぁ。父ちゃんだけいっつもママと一緒に寝れてズルいよぉ」


「ごめんね?もう少しでママ治るからそれまでバアちゃんと綾乃さんの言う事聞いていい子にしててね?」


不満そうな顔で頷く。


ドアに手をかけてから振り向いた。


「ママ、治ったらプリン作ってー」


「いいよー。いっぱい作ろう!ツナミも手伝ってね」


「うん」やっと笑顔になって部屋を出る。


「さて・・・と」


PCをよけてクローゼットを開ける。

大きな箱にソウちゃんからもらった手紙を入れた。


「もうそろそろ新しい箱買わなきゃダメかな?」


箱の中は蒼い封筒でビッシリになっている。