ソウちゃんの髪をそっと触ると少し動いて枕に寄りかかっているあたしの肩に頭が乗る。


病状が悪化している事は正直悲しい。

でも、ソウちゃんの手紙を読んだら何だかホッとした。


2人目がダメだった時、あたしは毎日苦しかった。

精神的なモノが原因ではあるだろうけど、いつも動悸や貧血に悩まされていた。


ソウちゃんはウソをつけないし、話を誇張する人ではない。

だから手紙に書いている病状は本当の事だ。


あの時よりは大丈夫。

だったらあたしは死なない。

まだまだ生きていける。ソウちゃんとツナミと3人で・・・。


携帯を出してお母さんに病状の説明と、ツナミをよろしくお願いします。とメールを入れた。


ソウちゃんの寝顔は子供みたいで17歳の頃から変わらない。

もう26の大人の男の人なのに『男の子』っていう感じ。


髪を撫でてからギュッて抱き締めると無意識なんだろうけど手が腰に回って抱き締め返してくれる。

オデコにキスをすると「うーん」って言いながらあたしを引きずり込んで、軽く口にキスをして腕枕をした。


しばらくソウちゃんの鼓動を目を閉じて聞いている。

薬よりも何よりもこの心音を聞いている状態があたしは一番安心する。



(あんなに目が冴えてたのに眠くなりそう・・・)


ソウちゃんの匂いがあたしに安らぎを与える。


せっかく探してくれたんだから動画を見ようかなと思ったけど、スッポリとソウちゃんの腕の中にいると眠たくなる。


(「あの人」・・・「死神」がきたら助けてね?)


そう思いながら、あたしはまた眠りに落ちた。