「今度にしような、今度」


頭を撫でられると涙がボロボロ出てくる。


「ルウコ?」


「・・・今度なんてないかもしれないじゃん」


「え?」


「だから、今度なんてもう来ないって言ってるの!」


ソウちゃんが起き上がる。


あたしを抱き上げて「どういう意味?」と言った。


「あたし悪いんでしょ?笹井先生に言われなかった?」


「いや」首を振る。でもウソがつけない人だから顔は強張っている。


「ソウちゃんってウソつけないんだよ!顔に出てるよ、あたし悪いんでしょ?」


黙ってあたしを見る。

あたしは「大丈夫」って意思表示のつもりで頷いた。


「する?」


あたしの涙を拭きながらソウちゃんが言った。


「うん」


ソウちゃんの指があたしの前髪をかきあげた。


キスをする瞬間、唇が震えていた。


顔を離すと困った様な笑顔。


「安静にだから無理しない程度にだな」


「そうだね」


あたしも笑った。