「見ないの?」


ソウちゃんが不思議そうな顔をする。


「見るよ。でもくっつきたいから」


ギューってくっつくと「苦しいって」と言われる。


「眠い?」


「うん、眠いけど」


「どーしてもすぐ寝たい?」


「何?一緒に見ればいいの?」


仕方ないなーって顔になって、ベッドの横の棚の上から眼鏡を取った。


「違うって」眼鏡を戻すと「何?どうしたいの?」とまた欠伸をした。


「するよ」


「は?ルウコお前、何言ってんの?」


「お前って言うな」


あたしは『お前』と呼ばれるのが好きじゃない。


「大丈夫なの!だからするの!」


Tシャツを脱がそうとすると「ちょっと、何!?ちょっと」とビックリしている。

あたしからこんなに強引に誘った事はない。

でも、この不安を解消したいから多少無理してでも繋がっていたい。


「今日、退院してきたんだぞ?安静にしなきゃダメじゃん」


「嫁が誘ってんのに断るなんて最低」


「いやいや、違うでしょ?そういう問題じゃないでしょ?」


確かにその通りなんだけど、あたし怖いんだよ。

だからそれを忘れたい。