翌日、笹井先生が診察をしてから「いいよ、退院しても」と言った。
「やった!あたし帰っていいんだね?」
「でも、しばらくは安静に。体力落ちて免疫も低下してるから風邪とかひきやすいし、ちょっとした事で熱出ると思うから3日はベッドから動かないで」
「えええええ、あたし主婦だからやる事いっぱいあるんだけど」
あたしの不満を無視して隣に座っているソウちゃんに喋り出した。
「旦那さん、そういうワケだから家事とか本人がやりたいって言っても寝かせて下さいね?ツナミちゃんの面倒は誰か見てくれそう?」
「大丈夫です。仕事に行ってる間は両方の実家の母親が交互に来ると思うんで。1人にはしないから問題ないです。ツナミの幼稚園も送迎してくれるんで」
ソウちゃんの答えに笹井先生が頷いた。
「ツナミちゃんにも可哀想だけど、あんまりママのそばに寄らないようにしてもらって下さい。幼稚園ってのは風邪やらなんやら病原菌を貰う子が結構いるから」
「わかりました」
退院の手続きをしている間に『外に出るから』ってもらったマスクをする。
ソウちゃんが戻ってきて手を繋いで駐車場まで向かった。
「マスクまでして重病人みたい」
あたしの不満にも「仕方ないだろ?」と言った。
「3日も動けないのか・・・暇だよ、あたし」
「大丈夫。昨日の夜中に頼んだ漫画のコミックスもDVDも『超お急ぎ便』ってヤツで頼んだから実は明日の朝には届くんだよね」
「え?すごいねー。部屋のPCで見ようっと。あたしが見てからツナミに見せる!」
「大人気ねーな」と笑っている。
「ツナミはジ○リのDVD好きだからしばらくそっち見てればいいじゃん」
「まぁね。ルウコの方が暇だからいいけどね」とまた笑った。