「ルウコ?」


また目が覚めるとソウちゃんがあたしの額の汗を拭っている。


「あ・・・、寝てた?あたし」


「うん。寝たんだけど急に苦しそうにするから先生を呼んだら発作じゃなくて熱が出てるって。微熱だから明日の退院は問題ないと思うけど・・・」


「今・・・何時?」


腕時計を見ながら「夜中の3時」と答える。


「また同じ夢見ちゃって・・・、ソウちゃんがいてくれて良かった」


ニッコリと笑ってくれる。


「大丈夫、いるから安心していいよ」


「でも、ソウちゃんも寝ないと・・・明日疲れちゃうよ?」


「明日は午後の退院になるから仕事休み。それに明日も綾乃さんにツナミをお願いしてるから帰ったらルウコと2人で寝るから大丈夫だよ」


「でも・・・」


「オレ26だよ?若いんだから1日寝なくても何ともないって。それに、フリースペースにある漫画が面白くてちょっとハマった」


「漫画?さっき読んでたやつ?」


「うん。これすっげー人気あるのは知ってたけど。アニメもやってるし、少年漫画だからツナミは知らないだろうけどコミックス集めようかな?」


表紙を見るとあたしでも名前を知ってるくらいに有名な漫画。

高校生の頃からあるんじゃないかな?

いっぱい映画化もされていて、当時でも「面白い」ってオタクじゃなくて、逆に普通の子とか目立つ子が読んでたかもしれない。

確か明日香も幹太くんも好きだった。

勧められたけど、あたしとソウちゃんは「別に興味ない」って言ったんだよね。


「あたしも読みたいかも・・・」


と言うと「寝るまで読む?」と1巻を渡してくれた。