「薬入れるから少し眠ろうね、ずっと苦しくて寝てないからね」
点滴に何かを入れようとしている。
「ヤダ!!寝ない!!あたし帰る!!」
起き上がろうとするを何人かに押さえられる。
「高柳さん、大丈夫だから。少し眠たくなるだけですよ」
「だからイヤだってば!!ソウちゃん、あたし帰る!!ツナミとソウちゃんの所に帰る!!」
「ルウコ、少し寝ないとダメだよ」
ソウちゃんが優しく言う。
「ヤダ、怖いもん。またあの人が出てくる・・・」
ソウちゃんの腕に抱きつくのをまたベッドに戻されそうになる。
「ソウちゃん、ツナミは?あの子泣いてるの、ツナミはどこ?」
「ツナミは今、綾乃さんと一緒。大丈夫だよ、泣いてないから」
「泣いてたの!あたしがどっか行っちゃうってあの子泣いてたのよ」
ガタガタと震えるあたしをソウちゃんがしっかり抱き締めてくれた。
「あの、少しだけ待っててもらえませんか?ルウコが落ち着くまで・・・」
笹井先生にソウちゃんが言った。
「うん。少し旦那さんにお願いした方がいいかな・・・。ルウコちゃん、落ち着いたら教えて?ツナミちゃんも連れてくるから。ママが興奮してたらツナミちゃんビックリするから、落ち着こうね?」
子供に言い聞かせるようにあたしに言ってからソウちゃんにも話掛けた。
「何かあったらすぐ呼んで下さい」
「わかりました」
ソウちゃんに抱き締められても震えが止まらない。