「ルウコ!!」


ソウちゃんの大きな声で目が覚める。


「ソウちゃん・・・」


「先生、意識戻りました!」


看護士の藤田さんの声。


「ルウコ?わかる?」


ぼんやりだけどソウちゃんの心配そうな顔が見える。


「・・・うん、ありがとう、助けにきてくれたんだね・・・」


「え?」


「変な人・・・顔がないの、すごく・・・怖かった・・・」


なかなか上手く声が出ない。


手に温もりを感じる。


ソウちゃんがあたしの手をしっかり握ってる。


「手を掴まれて・・・離してくれなくて・・・あたし、助けてってソウちゃんに言ったの・・・」


「ルウコ、今は喋らないで。疲れるから喋ったらダメだ」


「ご主人、少し離れてて下さい」


笹井先生の声がしてソウちゃんの手が離れる。


「高柳さん、ここ病室だよ?わかるかな?検査入院しててね、発作起こしたの。ルウコちゃん、わかる?」


(嫌だよ、ソウちゃん離れないで・・・)


周りを見る。

規則的な心電図の音、機械がカチャカチャと音を立てている。

笹井先生の後ろに不安そうなソウちゃんの顔が見えた。