「ただいまー」


家に帰ると妹のルミが「おっかえりー」と出てきた。

手にはアイスを持っている。


「いいな、アイス。あたしも食べたいなー」


軽く文句を言って靴を脱いだ。


「残念!氷でも食べれば?氷なら食べれるんでしょ?」


小6になって段々生意気になったルミがへへっと笑いながら言った。


「別に氷でもいいから食うか」


そんなあたしをビックリした顔で見ている。


「何?」


「お姉ちゃんがキレない。何かニヤニヤしてるしいい事あったの?」


「うるさい。ほっとけ」


(無意識に顔に出てるのかな?)


顔を触って確認するといつもより口角が上がってる気がしてきた。

今日は一日中、彼の背中ジロジロ見まくちゃったし。

毎日見てたら背中穴開いちゃうかも・・・。


「お姉ちゃん?」


「え?」


ルミがニヤっと笑った。


「彼氏出来たの?」


「このクソガキ!!どっか行け!!」


そう怒鳴ると「怖ーい、鬼ババア!」とアッカンベーをされた。