夜の9時半に実家を出る頃にはツナミは疲れてソウちゃんに抱っこされて爆睡していた。


「野菜いっぱいもらった、ラッキー」


車のエンジンをかけて走り出してからルミの話をするとソウちゃんは大爆笑した。


「それって男からしてもすっげー気まずい!!そんまま出て行ったんなら今頃続きしてんじゃねーの?」


「もうビックリしたよ。実の妹のエッチの場面なんて最悪!ルミも最悪連発してたけど」


「まぁルミもまだ20歳だし相手も学生だろ?金ねーからホテルばっかりも行ってらんないよね。でも、オレは彼女の家では出来ねーな」


確かにソウちゃんの家では学生時代から何度もあるけど、ウチでは一回もない。

部屋もドアを閉めっぱなしにした事もないから、両親はソウちゃんを『好青年』だとずーっと思っていた。

今でもウチのお父さんの酔っぱらいにも付き合ってくれているし、お母さんこと綾乃さんにも愛想よくしてくれている。


ふとお母さんとの会話を思い出した。


「ソウちゃんってあたしに不満ないの?」


「何で?」


「今日さ、ママ友の皆さんが盛んに旦那さんの悪口言ってたんだけど、あたしは何もなくて超浮きまくったんだけど、あたしはなくてもソウちゃんはあるのかなって思った」


窓を全開に開けてタバコに火を点けながら首を傾げている。


「不満ねぇ・・・、どうかな?昔はあったかもしれないけど忘れた。もうこの生活に慣れてるから今更不満はないけど」


「昔はあったの!?」ビックリしながら聞いた。


「多少は。21とか22の頃だから下らない不満ね」


「何?」


と聞いても笑ってるだけで教えてくれない。

しつこく聞くと笑いながらやっと教えてくれた。


「新婚なのにやれねーじゃんっていう下品な不満だよ」と。