お母さんが帰ってきたと同時にルミが「出かける」と出て行った。

多分、さっきのタケルくんと会うんじゃないかな?と思う。


「ルミ、謝っておいてね」


と言うと、「本当最悪!」と言って出て行った。


「なぁに?喧嘩でもしたの?」


「喧嘩ってワケでもないんだけどね」と苦笑いするしかない。


ルミにしたら連絡もなしで突然帰ってくるわ、あんな場面見られるわで気まずいし嫌な思いをしたんだろうけど・・・。


「ルウコ突然来るなんて珍しいじゃない。ソウちゃんもウチで食べて行くの?」


「うん。帰りに寄ってもらう。今日はご飯作る気分じゃないんだよねー」


食卓テーブルに顔を突っ伏した。


「綾乃さん!ト○ロ見たい!つけてー」


ツナミが言ってお母さんが『となりのト○ロ』のDVDを付けた。

しばらくツナミは静かになりそうでホッとする。


「何?何かあったの?」


お母さんからお茶をもらって一口飲んだ。


「世の中のママって怖いなーって。あたしママ友すっごい苦手!」


お母さんに今日のママ友の会の話をすると大笑いした。


「そんなもんでしょ、私だってお父さんの悪口言いまくるわよ?」


「えー?まぁ、お父さんならネタが尽きない感じではあるけど。でも友達でもない人達に給料の話とか旦那の顔がムカつくとか言うモン?あたし呆れたんだけど」


「お母さんはママ友っていないから知らないけど、言う人は言うんじゃないの?」


「それに事ある毎に『高柳さんは若いから』って、うっせーよ!って思ったよ」


「事実若いんだから仕方ないんじゃない?やっかみだって。ソウちゃんファンでもいるんでしょ?気にしないの」