ようやく話はあたしから逸れて皆さん旦那の悪口を言っている。
ハーブティーを飲みながらあたしは黙っていた。
やれ給料が安いだの、育児に参加しないだの、酷い所は顔見てるだけで腹が立つって、あたしにはない感情だなって思う。
そんなに贅沢も出来てないけど、ソウちゃんパパのお陰で26にしてはそれなりに暮らしていけてるし。
育児だってあたしの方がいい加減なくらい。
ソウちゃんが大好きだから不満なんて全然ない。
(顔が嫌ならなんで結婚したんだろう・・・)
あたしには疑問だらけだ。
しまいにはこんな真っ昼間から下ネタ!!
「高柳さんのお宅はお若いし、夜は問題ないわよね?」
「へ?」と間抜けな返事をしてしまう。
「旦那さんがイケメン君だから浮気してないかな?って不安にならない?」
「ウチはないと思いますけど・・・」
「あるワケないじゃない、奥さんがこんなに美人なんだから!」
なぜかみんな笑っている。
(全然意味不明!!)
そしてまた旦那の悪口大会に戻っている。
しばらくして、あたしが何も言わない事を不審に思ったのか
「高柳さん、あなたは旦那さんに不満はないワケ?」
ちょっと棘がある言い方をされる。
「ウチはないです。ソウちゃ・・・旦那に対してもいつも感謝してます」
相変わらず『旦那』って言うのには慣れない。
「ふーん」
つまらなさそうな返事が来る。