みんなが帰ってツナミも自分の部屋で寝て、あたし達もベッドに入る。

間接照明を点けて、あたしは小説を読んで、ソウちゃんはヘアカタログを見ていた。


ドアをノックする音が聞こえる。


「ママ」


ツナミがドアを開けながら寂しそうな顔をした。


「どうしたの?トイレ?」


起き上がってそばに行くとギュっと抱きついてきた。


「何だよ、幼稚園に行くのが怖くなったのか?」


ソウちゃんが笑いながら言った。


「ママはどっか行くの?」


「え?」


「ツナミにバイバイってするの?父ちゃんにもバイバイするの?」


2人で顔を見合わせる。


「行かないよ?どうしたの?」


「寝てたらママが『もう行くからね、バイバイ』って言った」


しゃがんでツナミの目線になると首に手を巻き付けてシクシクと泣き出した。


「夢見たんじゃねーの?」


ソウちゃんも起き上がってツナミの頭を撫でる。


「ツナミ、ママはどこにも行かないぞ?寂しいなら3人で寝るか?」


ソウちゃんに言われて頷いている。


「怖い夢見たんだね。大丈夫だよ?ママはずっと一緒にいるから」


間にツナミを寝かせるといつもはソウちゃんにベッタリなのに珍しくあたしにしっかり掴まってすぐに寝入ってしまった。