家の中でツナミのギャーギャー騒ぐ声を聞きながらソウちゃんママと2人で話をする。


「ルウコちゃん、元気になったみたいで良かった」


「うん・・・、何とか。ツナミを相手にしてたらいつまでも落ち込んでいられないから」


「大丈夫よ、授かり物だから焦らないで時がきたらまた出来るかもしれないし」



ツナミが2歳の時にあたし達は「2人目」を作ろうとした。

薬は排卵日に合わせて処方してもらって努力はしたけど、ツナミが3歳の始めに妊娠したけど、もう死んでしまっていて薬で死産をした。

あの時、あたしはショックが大きすぎて発作を連発して1ヶ月入院する事になった。

あたしの身体が弱いせいでそうなってしまったのかもしれない。

それは今も思っていて心の傷だけど、ソウちゃんに「ごめん」と何度も謝ると、いつもの優しい笑顔で手を握ってくれた。


「悲しいのは事実だけど、ルウコの方が苦しいんだから謝ることないよ。辛い思いさせておれこそごめんね」


あたしはソウちゃんに抱きついて子供みたいに声を上げて泣いた。




あれから半年が経って、やっと精神的に落ち着いてきた。

立ち直るのにこんなに時間がかかってしまってソウちゃんには申し訳ないと思う。

やっとツナミに目が向く様になり、笑えるようになったけど発作を連続で起こしたから薬の量はかなり増えてしまった。

強い薬が出て、笹井先生から説明されたのは副作用で白髪が生えるって事。

まだ26なのにそんなの嫌だなって思ったけど、飲み始めて2ヶ月で一気に白髪が出てきた。

ずっと黒髪でこれからもそうでいたいあたしは、ソウちゃんのお店で白髪染めをしてもらっている。



死産はあたしの精神も身体も一気に蝕んだ。


ツナミがいなかったら自分がどうなっていたのかもわからない。


ツナミがいてくれて本当によかった。