「そうだね、あたしとルミはよく喧嘩してたから。ウチはお父さんの威厳ゼロだったからね。お母さんに叩かれ蹴られして育ったかな?」


「ルウコとルミの喧嘩はすげーからな。最初ドン引きしたもん」


高校生の頃にソウちゃんが遊びに来ていてルミがソウちゃんにワガママを言ってあたしがキレた事がある。

ルミも生意気であたしに飛び蹴りしてきてぶん殴ったのを見てソウちゃんは確かに引いていた。


「ソウちゃんはどんな感じで育ったの?」


「普通。悪い事したら母ちゃんにビンタされて、中学の頃は親父に殴られたかな?オレより姉貴の方が悪かったから怒られるのはほとんど姉貴だけ」


肝っ玉母ちゃんなソウちゃんママが頭に浮かんだ。

そして確かに瑠璃ちゃんは悪かっただろうなって感じがする。


「ツナミはどんな子に育つんだろう・・・」


「あぁ、結構手を焼きそう。うるせーもん。オレもルウコもそんなに喋らないのに何でアイツはベラベラ喋るのかわかんねーし」


「ルミに似たんだよ」「姉貴に似たな」同時に言って笑ってしまう。

2人共キョウダイのせいにしている。



「とりあえず人に嫌われないで好かれる様な子になってくれたらいいな。ソウちゃんみたいに」


「オレ?オレに似てもロクな事ねーよ。でも、顔はルウコに似てるから性格はやっぱオレに似るのか?」


「どうだろうね、ソウちゃんみたいにボーっとしてないもん。うるさいしワガママだし、あたしに似たかも」


「ボーっとしてるは余計だけどな」


それから2人でずーっとツナミの話をしていた。


どんな子でもあたし達の大事な宝物。

人に迷惑をかけない様に育てるのはあたし達の努め。


それはずっと変わらない。


大事な大事な世界一可愛いあたし達の「天使」なんだから。