「ただいまー!楽しかったねー」
靴を脱ぎながら言うと「はい、おかえり」とソウちゃんが言った。
すっかり深夜になって全員を家まで送り届けて帰って来た。
明日香は旦那さんがって言ったけど、盛り上がって夜中まで騒いだのに申し訳ないから送って行った。
「何かツナミがいないと静かだな」
リビングの電気を点けながらソウちゃんが言う。
「そうだねー。あたしは楽チンですけど、寂しい?」
「ちょっとだけね」
「やっぱり早く2人目だね」
「まだ言ってんのかよ。それは自然の成り行きで。努力はしますけど」
「言うわよ、出来るまで言うからね!コーヒー飲む?」
「うん」
2人で並んでテレビを見る。
しばらくテレビを見て笑っているとソウちゃんがポツリと言った。
「オレ、男がいいな」
「え?」
「次は男がいいなーってふと思った」
「男の子かぁ、可愛いだろうなー。彼女とか出来たらぶん殴りそう、あたし」
「ルウコなら有り得るな。オレもツナミに彼氏出来たら微妙だな」
「あれ?丸くなった?生まれる前はぶっ殺すって言ってたのに」
「うん。人の事言えねーじゃん、21でデキ婚だよ?ツナミに突っ込まれたら『ですよねー』って頭上がらない」
「あははは!デキ婚だけど、あたしは嬉しかったから突っ込まれる必要ないけどね。そんな生意気言ったらボッコボコにするよ」
「怖い母親だなー。綾乃さんに殴られて育ったの?」
ソウちゃんもすっかりお母さんを「綾乃さん」と呼んでいる。