しばらく5人で近況を話して笑いながら盛り上がった。


「そういえばさ、まだ続けてるの?手紙」


明日香に聞かれて「うん」と頷く。

ソウちゃんはこの話が嫌い。結婚式の日にあたしが言った「約束」を思い出すから。


「ソウちゃんもよくルウコのワガママに付き合うよねー、あたしなら速攻で辞めるけどね」


「まぁね、癖だから」と曖昧に笑っている。


何か話題を変えないとソウちゃんの気が重くなる。


「ソウ、来週髪切りに行きたいんだけど」


幹太くんが言い出してホっとする。


「あぁ、いいけど。それ以上どう切ればいいんだよ」


「何かさ、ダサくね?オレ。だからちょっとはシャレたリーマンっぽい感じで」


「・・・何それ、シャレてもリーマンじゃん。意味わかんね」


「ミサが嫌なのよ、何か『the リーマン』って感じ。ソウみたいなオシャレな感じにしてほしいの!」


「オレは職業柄こうなだけ。幹太がこんな頭してたらクビになるぞ」


ソウちゃんは昔から変わらない。

昔より髪が長いかな?って位で茶髪にピアス。

そしてあたしも黒髪のロングはずっと変わってない。


ミサちゃんも明日香も幹太くんもソウちゃんのお店のお客さんだけど、いつも髪型が変わっている。

だんだん大人っぽい雰囲気に。

だからあたし達は余計に浮いて見えるのかもしれない。


幹太くんの髪を触りながらソウちゃんは「どうしろってよ」と言ってる。


「目立たない程度に色入れてくれよ」と幹太くん。


「クビになっちまえ」と笑うのは明日香。