ケーキをパクパク食べながらツナミはお母さんに喋りまくっている。
まだ2歳だから意味不明な言葉ばっかりだけど、お母さんこと「綾乃さん」は嬉しそうに頷いている。
「お父さんは?」
あたしが聞くと、「ツナミが来るからおもちゃ買いに行ったわよ」だって。
「あんまり甘やかさないでほしいんだけどなぁ」
「孫を甘やかさないで誰を甘やかすのよ」
「ルミは?」
「バイトの後飲み会だって。どうせ男ん所でしょ?」
ルミの「男遊び」はまだまだ健在のようだ。
「綾乃さん」ツナミがお母さんに話掛ける。
「なぁに?もっとケーキ食べる?」
「ツナミのおウチに赤ちゃんくるの!」
ブっとお茶を吹き出してしまう。
「え?え?えええ!?そうなの?ルウコ、そうなの?」
お母さんがビックリして言った。
(子供って怖すぎる・・・)
「違うわよ!ツナミももう2歳だからそろそろいいかなー?って検討中なだけ」
「なんだ、ビックリしたぁ・・・。でも、大丈夫なの?笹井先生はなんて?」
あたしは今月の検査の結果と2人目について説明した。
「ソウちゃんとルウコがいいならいいけど。でも私は次の子にも『綾乃さん』って呼ばせるつもり!」
「どうでもいいよぉ。いい加減ばーちゃんでいいじゃん、何歳だよ」
「何歳でも嫌なものは嫌なのよ!」
呆れていると「ツナミー!」とお父さんの叫び声がした。