『つ、疲れた・・・』


3次会まで続いた結婚式が終わって帰ってきたのはもう夜中の2時。


スーツのソウちゃんと2次会用の水色のドレスを着たあたしは玄関に入った途端に同時に言った。


あたしの友達はほとんどいないから集まってくれたのはソウちゃんの同級生や仕事関係の人ばっかり。


高2のフェスでしつこかったアキトくんに何年振りかで会ったかも。


緩めたネクタイを鬱陶しそうに外したソウちゃんに水を渡す。

かなり飲まされたソウちゃんは酔っぱらいを通り越してグッタリしていた。


「ありがと。ルウコ、腹は大丈夫?」


「うん。笹井先生が何度も診てくれたけど大丈夫だよ」


あたしの身体の為に笹井先生と看護士の藤田さんが3次会まで付き合ってくれた。

ソウちゃんの友達の中に看護士を目指している女の子がいて、藤田さんに色々相談していて、藤田さんは(酒豪だし)結構楽しそうだった。


「それにしても笹井先生が独身だってのにビックリだよな」


独身で大学病院の医者、まだ30台の半ばの笹井先生は異様なほどモテていた。


「言わなかったっけ?でも彼女と別れてフリーとか、私生活は知らないからあんなにモテモテだとは思わなかったよ」


「結構イケメンだからね。眼鏡でマジメそうだけど背もデカイしさ。オレ何人かに『本気で狙うから』って言われたよ」


「へー、まぁ若い彼女もいいんじゃない?」


笹井先生は「いや、困るんだけど・・・」とソウちゃんの美容学校時代の女の子達にベッタリとマークされていて苦笑いしていた。



とりあえず何事もなく無事結婚式も終えて2人でやれやれとなった。


でも、あたしにとってのメインはこれからだ。