「しよう、しよう、柏木さん携帯出して」


中川くんが笑顔で携帯を持っている。


慌てて携帯を出すと「赤外線ね」と言われる。


「・・・うん」


中川くんのアドレスが表示され、登録。

そして「ん」と言って、彼があたしに携帯を向けた。


ドキドキしながら交換すると、『ソウ』と名前が表示されている。


(うー!幸せすぎて泣きそう)


赤くならないように気をつけながらも彼が自分の携帯を見ていてボタンを押している。

彼の携帯にあたしの情報が・・・。

それだけで幸せだ。


(明日香、マジ感謝!!)


「今度遊ぼうよ」


明日香が笑顔で言っている。


「いいけど、お前彼氏はいいワケ?」


彼が明日香に言っている。

あたしもお前とか呼ばれてみたい・・・。そう素直に思ってしまう。


「あたしは彼氏に信用されてるし。クラスの友達と遊ぶのに何か問題ある?ねぇ、ルウコ」


「え?あ・・・、明日香の彼氏は大丈夫」


「柏木さんと遊べるとか何気にラッキーだよな?ソウ」


「そうだな。柏木は大丈夫なの?」


(柏木って言われた。2回目!!)


「うん。あたしは大丈夫です」


緊張で声が上擦ってしまった。