箱の中に小さなメッセージカードが入っている。


見ようとすると「今、見ないでよ!」と怒鳴られた。


「そんな怒鳴る事?どーせ悪口でしょ?バーカとかそんな言葉のくせに」


慌てるルミを無視してメッセージカードを開いた。



『今まで生きててくれてありがとう』



女の子な丸字でそれだけ書いてある。


「ルミ?」


ルミを見ると仏頂面でブツブツ言う。


「一応姉だし?病気抱えてて大変だと思うし。小さい頃はお父さんもお母さんもお姉ちゃんばっかりだったから寂しかった事あったけど、本人は大変だったろうなって思っただけです」


「あ、ごめん・・・、それは本当にごめん」


確かに寂しい思いはさせていたと思う。

ルミがやたらとあたしに突っかかってくるのはあたしのせいだってわかってた。


「別に謝らなくていいよ。その分結構遊べたしさ、今も絶賛遊んでるし。お姉ちゃんが発病した歳に自分がなって色々考えたらお姉ちゃんの分際でよく頑張ってきたよなって少ーしだけ、本当に1ミリくらい思ったんだよね」


せっかくメイクしてもらったのにちょっと泣きそうになる。


「泣くなよ、いい歳こいて恥ずかしい!これからはソウちゃんいるんだから迷惑かけるんじゃないよ?」


フンとそっぽを向きながらルミが言った。


「わかった。でも、本当にありがとう」


笑顔で言うと眉間に皺を寄せる。


「だから別にお礼とかいらないから!くれるなら金ちょうだいよ」


クソ生意気だけど、それは照れ隠し。

これからは少しは仲がいい姉妹になれるかな?