メイクと着替えが終わったと同時にルミが顔を出した。
今日の為に買ってもらった肩丸出しの露出が目立つワンピースを着ている。
何かメイクがいつもと違って派手。
「あんたメイク派手じゃない?」
あたしが言うと「ソウちゃんにさっきしてもらった」と言った。
「はぁ!?新郎に何させてんのよ!クソ忙しいのに」
文句を言うあたしにおかまいなしでジロジロと見てくる。
「お姉ちゃん、いつもより目がデッカイよ!美人に見える!ソウちゃんパパすごいねー」
「いつも美人です。あんたと違うから」
「あっそ。ルミが結婚する時はソウちゃんがヘアメイクしてくれるんだって」
「ふーん、よかったじゃん」
ソウちゃんパパにお礼を言うと笑顔で部屋を出た。
ルミと2人でいるのもなかなか貴重。
あたしの姿をずっと色んな角度から見ている。
「何?」
あんまり見られるのも恥ずかしくて素っ気ない言い方になる。
ルミがバッグから小さな箱を出して「はい、あげる」と言った。
黒い箱にピンクのリボンがかかっている。
「何これ?」
「安物だから。一応・・・おめでとうって事で。ソウちゃんとお揃いにした」
箱を開けるとリングのピアスが入っている。
「え?あ・・・うん。ありがとう」
ちょっと恥ずかしくてやっぱり素っ気ないお礼になってしまった。