「寝た?」
客間にしている空き部屋を出て来たソウちゃんに聞いた。
「寝た寝た。しっかし今週結婚式がある夫婦の家に3人共泊まるかよ、普通」
すっかりお酒が入った3人は2組の布団に川の字で寝てる。
そのうち、この客間も子供部屋になる予定。
後は寝室とソウちゃんの部屋。
あたしに部屋はないけど、専業主婦のあたしにはリビングがあるから別にいい。
洗い物を終えて、温かいハーブティーをあたしは飲んでいる。
「疲れたな・・・」
冷蔵庫から冷たい缶コーヒーを出しながらソウちゃんはため息。
「ご苦労様です」
食卓テーブルに向かい合ってのんびり過ごす。
いつもはテレビが点いているけど、今日は人が泊まってるから点いていない。
「幹太に聞かれたよ、『結婚ってどんな感じだ?』って」
「どんなって・・・、どうだろうね。まだ1ヶ月だし。今はソウちゃんの知らなかった部分を見て驚いたりちょっとワクワクいてるかな?」
あたしの答えに「それはオレも同じ」と笑った。
「オレの中では『結婚』って言葉は別にそんな深くないんだ。ただ、ルウコの人生を一緒に背負えるのが嬉しいかな?ってくらい。今までも何でもわかってたつもりだけど、病気の事とかやっぱり『家族』だから前よりずっとわかってやれるし、支えれるし。子供も生まれたらまた違うだろうけど、子供がいてもオレの一番はルウコだな」
珍しく自分の気持ちを言ってくれるソウちゃんをジーっと見た。
「酔ってるの?」
「酔ってねーよ!ほら、寝るぞ」
あたしの頭に手を置いて恥ずかしそうにした。
『オレの一番はルウコ』ってすごく嬉しい言葉じゃない?