ソウちゃんとソウちゃんパパにいつまでも絡んでいるお父さん。
お婿さんのご両親を呼んでおいてロクに料理も作らないお母さん。
涼しい顔をしてかなり遊んでいる妹。
22年間、同じ屋根の下で生活してたけどわからない事だらけだ。
「あたしはこんな家庭ヤダなぁ・・・」
思わず口にすると瑠璃ちゃんが笑った。
「家族なんてこんなモンよ?あたしだって親が何考えてるのかとか弟がどんなヤツだとか知らないもん。もちろん、あたしの事だって知らないだろうし」
「あたしとソウちゃんは秘密のない家庭にしたい」
ワインの飲みながら瑠璃ちゃんが「無理だって」と笑う。
「だって、お腹の子が例えばちょっと転んで怪我とかしたとするじゃない?ソウがすごく怒るタイプだったら自分のミスだけど隠しちゃうわよ」
「えー、隠さないよ、ちゃんと言って謝るよ」
「最初はみんなそう言うけど、夫婦なんて実は隠し事いっぱいってのが多いわよ?あたしの友達なんてほとんどそんなもんよ。浮気とかは別問題として」
「浮気!?」驚いて大声になってしまった。
ソウちゃんがこっちを見て「はぁ!?」と言った。
「ソウちゃんが浮気するって事?あたし絶対許せないよー」
「大丈夫よ、弟だからってワケじゃないけどソウはしないって。するのが面倒なタイプだもん」
あたしに言ってから「何でもないわよ、そっちで話してなよ!」と瑠璃ちゃんがソウちゃんに言った。
ソウちゃんは怪訝そうにしてまたウチのお父さんの愚痴に付き合っている。