いい加減にお酒が回ったウチのお父さんは余計な事をベラベラと喋っている。
「ルウコは小さい頃からどこに連れて行っても『キレイな子ですね』って言われてて、本当に自慢の娘なんですよ。口が悪いのはウチのカミさんに似たんですけどね・・・」
「いや、口が悪いなんて・・・。ルウコちゃんはいい子ですよ?ウチのバカ息子にはもったいないです」
口数の少ないソウちゃんパパが苦笑いしている。
(この親父、蹴っ飛ばして寝かせてやろうか)
呆れながらあたしは思った。
仕舞にはソウちゃんまで巻き込んでグダグダ言っている。
あたしはもうデザートのケーキを食べて話込んでいる瑠璃ちゃんとルミの所に行った。
「何、真剣に話してるの?」
「えー、お姉ちゃんには関係ない話だよ。大人の意見を聞いてるの!」
「あたしだって大人だっつーの。瑠璃ちゃん、どんな話?」
瑠璃ちゃんはタバコを消しながらあっけらかんと言った。
「今時の子ってすごいわよ?もう初体験終わってるんだって!その相手がヨリを戻したいってしつこいらしいのよ」
「もー!!瑠璃ちゃん!内緒って言ったじゃん」
ルミが?もう「経験済み」??この子まだ高校に上がったばっかりなのに?
「え!?何?あんたバカじゃないの!?そういうのは大事な人とだけしなさいよ!中学で済んでるって事!?」
「お姉ちゃん、普通だから。あたしはお姉ちゃんみたいに一生経験者が1人とか有り得ないし。もう3人目だからね」
「ウソ!?」
「ルミちゃんってルウコちゃんにそっくりでしょ?すごいモテるらしいよー、イケメンしか興味ないんだって。そこは若い頃のあたしそっくりだけど」
26歳のすっかりキャリアウーマンの瑠璃ちゃんは確かに遊んでたっぽいけど、実の妹がそんなキャラだってのは姉として少しショックだった。