お父さんは威厳を持って厳しい表情をしてるつもりなんだけど、口が笑いそうでピクピクしている。


お母さんは平気でケーキをバクバク食べている。


「あの!」


ソウちゃんが意を決したように言った。


「こんな夜分にしかもこんな格好で非常識にもほどがあるのですが、ルウコさんの妊娠の件は本当にすみません!でも、ボクはルウコさんと産まれてくる子供と生活をしていきたいので、許していただけないでしょうか?」


「ルウコ、大学どうするの?」


「あー、辞めるよ。子供と一緒にいたいから」


「あっそ。休学して復帰も出来るからそれは別に後でもいいか。ところでソウちゃん」


お母さんに言われて下げていた頭を上げた。


「だーれも反対だなんて言ってないけど」


「え?でも、お父さんが・・・」


お父さんが我慢出来なくて爆笑した。


「ごめん!ルウコが適当なウソ言ったんだろうけど、ウチは聞いて大喜び!逆にソウちゃんの親御さんにどう謝ればいいのか悩んでたとこ」


「ルウコー!」


睨んで来たけど無視してみた。



柏木家、高柳家の挨拶、

結婚式の日取り、

新居探し、


これから忙しくなりそう。