ソウちゃんの車が家のまで停まっていて、あたしが覗くと手招きをされた。
助手席に座ると「ちょっとだけ移動」と車を走らせる。
近くの大きな公園の駐車場に停めると、後部席からコンビニの袋を出して100%のオレンジジュースを渡してきた。ソウちゃんは自分の分のカフェオレを出して飲んだ。
「家着?それ」
パーカーにテロテロな素材のパンツを履いてるあたしを指差した。
「あぁ、慌てて出てきたから」
せめてジーンズでも履いてくればよかったかな?と少し後悔した。
「別にいいんだけど・・・」
ソウちゃんは昼間と同じ、好きなブランドのパーカーに折り目やポケットがチェックになっているジーンズにスニーカー。ニット帽を被っている。
「ちょっとタバコ吸う」
と言って外に出て白い息を吐きながらジッポでタバコに火を点けた。
「中で吸えば?」
窓を開けてあたしが言うと「身体に悪いから」と答える。
フロントガラスに何か青い紙切れが見えて、何だろう?と思って手を伸ばすと、
「あ!それは今見たらダメ!!」
慌てた様に言われてまたドアを閉めてタバコの煙を吐いている。
(何だろう?)
明らかにどっかの広告名が入っていそうな青いメモをあたしはジッと見ながら戻って来るのを待った。
「さみー!」
手を摺り合わせながら戻ってきたソウちゃんをあたしは不思議な気持ちで見た。
昼間と明らかに何かが違う。
多分、ソウちゃんなりの「答え」を持ってきたんだ、とあたしは身構えた。