食卓テーブルに家族全員で座ると、お父さんは案の定腕組みをして難しい顔をしている。


(やっぱり怒られるのか・・・)


ルミはわけがわからない様子でキョロキョロと家族を見回していた。


「ルウコ!」


一喝入れられると思って首をすくめてお父さんを見ると・・・


「おめでとう!!いやー、おめでとう!!いやーオレももう『おじいちゃん』なのか、照れるな。若いおじいちゃんだな、困ったなぁ」


デレデレの顔で言われた。


「は?」あたしとルミが同時に言った。


「でしょ?私はおばあちゃんじゃなく『綾乃さん』って呼んでもらいたいのよ、あなたはおじいちゃんでいいの?」


「オレはおじいちゃんでもいいな!あ、そうそう。ソウちゃんは何て言ってるんだ?結婚はいつするんだ?」


(げ、今聞かれたくない・・・)


どうしようか迷っているとあたしの前にルミがはしゃいでいる。


「お姉ちゃん、マジ!?あたし15で叔母さんかよ!それも微妙ー。でもいいや、で、どっち?男?女?」


「いや、だからまだ2ヶ月でわからないし、ソウちゃんとはこれから色々・・・」


あたしが説明してるのに3人共全然聞いてない。


どうしたもんだか・・・


考えているとポケットの携帯が鳴ってメールが来た。


『今、家の前のいるけど出れる?』とソウちゃんからだ。


「ごめん!あたし少しだけ出てくる!」


パーカーをひっかけて玄関を出る時、3人共「転ばないでね!」と慌てて言った。


(どうかしてるよ、柏木家・・・)