「それはルウコが悪い」
帰りに明日香をマックに連行して成り行きを話すとバッサリと言われた。
「どうしてよ!ソウちゃんはあたしの気持ちわかってるのに」
ジュースをストローで飲み干して、明日香は呆れてあたしを見た。
「それってさ、ルウコの独りよがりじゃない?自分の気持ち押し付けてるだけじゃん」
「え?」
「あたし達みたいにとりあえず大学入ってそれからのんびり就職でも探しますか。てより先を見据えてるソウちゃんの方がずっとマシだよ」
紙コップを手で握りしめる。
あたしの独りよがり。確かにそうかもしれない。
今まで主体性がないソウちゃんがハッキリと意志を示したのは初めてかも。
それまでしっかり守ってくれてはいたけど、特別な意志はなくていつもあたしの言う通りにしてくれていたから。
「でも、真っ先に相談してほしかったよ・・・」
悔しい気持ちで言うと、明日香がため息をついた。
「これは幹太が言ってた事だから、ソウちゃんの本心かはわからないけど・・・」
それから明日香が話した事にあたしはただ驚いた。
明日香は話し終えると言った。
「それでもソウちゃんはルウコの気持ちを尊重してないって言える?」
言えるはずがない。
ソウちゃんがあたしの為に実家の家業だと融通がきくからって理由で美容師になろうとしてたなんて・・・。
あたしは何て自分勝手な気持ちをソウちゃんに言ってしまったんだろう・・・。