わからないまま一週間がすぎて、ソウちゃんから呼び出しされた。
授業をサボって2人で屋上に行くと、ソウちゃんはポケットからしわくちゃの進路志望表を出した。
「言うの遅くなってごめん。超悩んでたから」
渡された進路の紙を見て目眩がしそうになった。
そこに書かれていたのは、お母さんが「例えば」で話した美容師の専門学校の名前が2つ書かれていて、残りの一つは大学の名前だった。
「ソウちゃんは美容師さんになりたいの?跡継ぎって事?」
「いずれは後は継ぐかもだけど、とりあえず専門卒業したら家で働くつもり」
あたしは下を向いて唇を噛んだ。
だったらあたしはどうすればいいの?
美容師にはなりたいと思った事もないから一緒の学校へは行けない。
「何でもっと早く言ってくれなかったの?あたし、一緒の学校に行きたいって言ってたよね?何であたしの気持ちわかってくれないの?」
「何でって・・・、オレなりに悩んだからだよ。ルウコの気持ちはわかってたけど、何の目的もなくダラダラと大学行きたくないんだよ」
「何の目的もないって、それってあたしの事言いたいの!?」
あたしの怒鳴り声に呆れた顔をした。
「これから先もルウコと一緒にいるのは変わらないよ。でも、オレはオレの進む道があって、ルウコだって同じだろ?ルウコがやりたい事をやればいいんだよ」
「あたし、ソウちゃんと出会うまでこの先の人生なんて考えた事なかった。だから今更やりたい事って言われてもわかんない!」
「それってオレが怒られる事?ちょっと呆れた」
そう言って立ち上がって屋上を出て行ってしまった。