「ソウちゃん!進路どうなってるの?」
机に突っ伏す姿は1年前と変わらない。
みんなが参考書片手にガリガリと勉強してる中、爆睡中。
その姿はとても高3の夏とは思えない。
この夏から授業のほとんどは自習状態になっている。
担当教科の先生がボサーっとしていて、質問したりしている。
やっと起き上がったソウちゃんは目をこすりながら「何ー?」と言った。
「だから、進路志望の紙!どこって書いたの?ソウちゃんが書かないとあたしも書けないんだけど」
「ルウコはルウコの好きな道に行けばいいんだよ。別に無理にオレに合わせる必要ないんだから」
「あたしが好きでソウちゃんと同じ大学行きたいの!合わせてない、あたしの意志だよ」
明日香は彼氏と同じ大学に行く事を決めているし、成績上も問題ない。
幹太くんはミサちゃんと同じ大学に行きたいみたいで、でも成績がついていけないから明日香とあたしでサポートしている。(明日香は賄賂付きだけど)
みんなが次々と進路を決めていく中、ソウちゃんだけが白紙状態。
ついでにあたしも。
「考えてるよー」って言ってたけど、全然わからない。
「もー!どうするの?」
「ルウコ。今日ウチの美容室で髪切るんでしょ?」
「あ、うん。ソウちゃんパパに切ってもらうけど・・・」
「短くしないでねー。ロングなルウコが好きだから」
そう言ってまた寝始めた。
(クッソー!またはぐらかされたぁ!!)