布団に潜りこんで携帯を鳴らすとすぐに「もしもし」と言う声がした。
「あ、ソウちゃん寝てた?」
『いや、寝てないけど。電話なんかして大丈夫なの?』
「ちょっとだけなら」
さっきまで会ってたけどすごく「会いたい」と思って思わず電話をした。
「お母さんが送ったんでしょ?何か言われた?」
しばらく間があったから(言われたんだ・・・)とわかった。
『言われたってよりはキレちゃったっていうか・・・』
「え?お母さんが?」
『いや、オレが』
「ソウちゃんが?何で?」
ビックリした。ソウちゃんがキレるなんて、ましてやウチの親に。
『ルウコの親なのにごめん。なんかさ、諦めてるようなそんな感じがして「アンタら何のためにいるんだよ」って言っちゃったんだよね・・・』
「ソウちゃん・・・」
気が付くと涙がポロポロと出て来た。
あたしの事をわかってくれるから、そしてあたしが生きる事を願ってくれるから言ってくれたんだ・・・。
その気持ちが嬉しくて、こんな身体だけど初めて神様に「ありがとう」って言いたくなった。
そばにいつも潜んでいる「死神」じゃなくて、違う神様はきっといるんだって初めて思えた。
だってこんな素敵な人、他にはいないよ?
あたしにはもったないくらいすごく素敵な人がそばにいる。
あたしって実はかなりな幸せ者なのかもしれない。