電車の中。
「明日香と離れるのキツいなー」
ボソっとあたしは呟いた。
「あ、それはないない。」
「何で?」
「だってあたしってあんたのお世話係だし。事情知ってるのって生徒であたしだけだから」
「なーるほど。って事は3年間一緒か」
発作が出たらいつも明日香が助けてくれるし。実際助かってるし。
「それよりさ・・・」
明日香が耳元で囁く。
「高柳と一緒だったらいいね」
「・・・ない。絶対にない。あたしに限って有り得ないし」
「わかんないじゃん」
ニヤニヤ笑う明日香。
「た・・・高柳くんは彼女いるじゃん」
高1の冬、初めて声をかけられた日に決まった1組の女子とのお付き合い。
「知らないの?別れたんだよ?」
「え!?」
あたしがビックリしてると
「ルウコちゃん、チャンス到来!同じクラスになればいいねー」
明日香はそう言ったけど、別れたってだけ朗報。
同じクラス・・・絶対ないから。