「オレは大丈夫だよ」
ソウちゃんがルミの頭を撫でると「良かったね」と嬉しそうに笑った。
2人の様子を見ていると面識があるように見える。
最悪ルミだけにしか会ってないなら助かる。
でも笹井先生は「お母さんに話してから彼氏さんを呼ぶ」って言った。
(笹井先生が呼んでくれたなら救いよね・・・)
そう思ってたあたしにソウちゃんからガッカリする言葉が発せられた。
「ルウコのお母さんってルウコと似てるよな。オバサンって呼ぶのに抵抗ある」
「え!?お母さんに会ったの!?」
あたしの声にソウちゃんはビックリしている。
「会ったっていうか・・・、ルウコが目を覚ましたからって呼んでくれたんだけど。そんなに驚く事?」
「ルミが最初にソウちゃんを見つけたんだよ」
ルミが得意気に言った。
「余計なっ・・・、あ、そうなんだ。ルミ、ありがと」
取り繕った笑顔をルミに向けるとニターと笑い返してきた。
「お母さんが今日だけは入院するって言ってたけど、何かあったら連絡くれよ?」
あたしとルミの心のやり取りに気付かないソウちゃんは心配そうな顔。
「わかった!ルミが教えてあげる!ソウちゃん携帯教えて」
バッグから自分のキッズ携帯を出してソウちゃんに向けている。
「え・・・?ルミちゃん、オレと番号交換するの?」
ソウちゃんの戸惑いをよそにさっさと赤外線で交換している。
あたしはため息しか出なかった。