強制的に付けられていた酸素マスクが外された頃、ドアが開いて疲れた顔のソウちゃんが入ってきた。
「大丈夫か?」
椅子に座って手を握られるとすごく安心した。
「ごめんね、ビックリしたでしょ?」
「うん、さすがにビックリした」
「でも、先生がすごくしっかりした彼氏さんだねって言ってたよ」
「いや、スゲー焦ったよ。全く動かないし・・・」
「あたしもこんな発作初めてなの。症状の一つにはあるってのは知ってたけど」
「あんまり喋らなくてもいいよ。疲れるだろ?」
やっとソウちゃんが少し笑ったから、あたしも笑い返した。
そしてウチの親に会ったかを聞こうとしたら・・・
「お姉ちゃん、大丈夫?」
ルミが病室に入ってきてギョっとしそうになったけど、ソウちゃんが変に思ったらイヤだからなるべく自然に、しかもあたしにはありえないくらい優しい声で
「うん、大丈夫だよ」
と答えた。
ルミはニコニコしながら(ニヤニヤかもしれないけど)ソウちゃんの隣の椅子に座って交互にあたしとソウちゃんの顔を見ている。
(余計な事言うなよ・・・)
いつもなら睨みをきかせるところだけど、さすがにあたしも発作で疲れたみたいでそんな元気もない。
ルミはソウちゃんの顔をジーっと見てから心配そうに言った。
「ソウちゃんも大丈夫?」
ソウちゃんはビックリした顔で「え?オレ?」と驚いていた。