指輪が出されて、ソウちゃんはあたしの両手も見つめて考え中。
「うーん、やっぱ左かな?」
と言ってあたしの左の薬指にどんどん指輪をはめていく。
このシリーズで一番小さいサイズの7号があたしにピッタリだった。
ポカーンとしているあたしにはお構いなしで今度は自分の左手の薬指に指輪をはめている。
「よしOK!じゃあこれ2個下さい」
「え!?」
あたしがビックリしているとソウちゃんは含み笑い。
「何か後ろに彫りますか?すぐ出来るよ」
店員のお兄さんに言われて思わず
「ソウとルウコって彫って!」
とお願いしたんだけど・・・
「却下!すみません。これ彫って下さい」
とメモを渡している。
(何を彫るんだろう・・・)
ソウちゃんは渡したメモを見て。お兄さんは笑顔だ。
憧れのペアリング・・・
嬉しくて涙が出そうだけど、店に中で泣くワケにもいかない。
あたし達は彫り終わるまで2人で椅子に黙って座っていた。