ソウちゃんの部屋に布団を敷きながら「優しい家族だな」と呟いた。
「そうかぁ?」
枕カバーをつけているソウちゃんは呆れてた。
ソウちゃんいとって普通の事が、あたしにはすごく響く。
『あたしは普通なんだって胸を張りなさい』
あたしにとってそれはすごく意味のある言葉だ。
いいのかな・・・?
ずっと背中に病気っていう「死神」が付いて歩いてるけど、
あたし『普通』って思ってもいい?
「健全なお付き合い!」って笑いながらくれた布団を敷き終わると、窓に向かってタバコを吸っていたソウちゃんが言った。
「ルウコ、薬飲んだ?」
「飲んだよ。一応でまたカロリーの薬と利尿剤!これさえあればお菓子食べ放題!夜の薬は寝る前だし」
「お前、まだ食う気?」と完全に呆れた声。
ソウちゃんが渡してくれた枕を置いてあたしは独り言みたいに言った。
「あたしの家族はね、あたしが病気になってから腫れ物を触るように扱うの。お父さんもお母さんも優しいんだけど・・・何て言えばいいのかな?全てにおいて思い出作り?いつ死んでもいいように。そういう風に扱うのよね。あたしは普通にしてほしいんだけど。妹くらいかな?まだよくわかってないから全然お構いなしなんだけど、その方がいいのよね」
ソウちゃんはあたしを見て頷くだけ。
「ソウちゃんもあたしの身体に気を遣ってくれてるけど、家族とは全然違うくて、普通。本当に普通にあたしを見てくれるんだよね」
布団からソウちゃんが座っているベッドの隣に座った。
「ソウちゃん、ありがとう。あたしソウちゃんといれて本当に幸せだよ」
そう言ってあたしはしっかり抱きついた。