ドアを閉めて「緊張したぁ〜」と言うとソウちゃんは少し笑った。
それから部屋をキョロキョロと見てしまう。
家の外観と違い、すごくあっさりした部屋。
フローリングに焦げ茶のラグ。ガラスのテーブルの上にはノートPC。
テーブルの前にはローソファー。
セミダブルくらいのベッドはベージュのカバーがかかっている。
後は天井まで届くような本棚があって、漫画とサッカーの雑誌と何かフィギアがちょっとある。
ソファーに座ったソウちゃんが「座れば?」と言った。
どこに座っていいかわからないから隣に並んだ。
「シンプルなのね」
「あんまり無駄なもの置くのは好きじゃないんだ」
ソウちゃんらしい感じ。
お香かな?いい匂いがする。
「お香?」と聞くと、
「タバコ臭いから」と気を遣ってくれたらしい返事がきた。
「あたしの部屋なんかすごいよ。フリフリにピンクの少女趣味」
「服装とエライ違いだな」
「お母さんの趣味なのー。うんざり」
あたしの部屋を「シンデレラ城」と明日香が呼ぶ話をすると笑っている。
ソウちゃんの顔をジッと見ると「何?」と首を傾げた。
「ソウちゃんのお姉さんの瑠璃さん。やっぱりソウちゃんとそっくりだね」
「え!?オレあんなブスと同じ顔じゃねーよ」
すごく嫌そうな顔をした。