ソウちゃんのお母さんがお茶を出してくれたけど、瑠璃さんが一気に色々質問してきて、どうしていいかわからなくなった。
ようやくソウちゃんがソファーの隣に座ってくれてちょっと安心する。
「はじめまして。柏木流湖です」
やっと挨拶が出来た。
瑠璃さの興奮は少しおさまったみたい。
(ソウちゃんが『蒼』でお姉さんは『瑠璃』か・・・)
お茶を口に運んでふと思った。
「瑠璃さん・・・。お姉さんもお名前が色なんですね」
瑠璃さんは一瞬「?」って顔をしたけど、あたしは続けた。
「ソウちゃんが、蒼で、お姉さんは瑠璃色。ステキですね」
その途端に瑠璃さんが笑い飛ばした。
「こんなのに『ちゃん』付けなんてしなくていいのに!」
それまで呆れていたソウちゃんが口を開いた。
「てかさ、もういい?」
そう言って立って、ダイニングの冷蔵庫からペットのお茶を2本出して、
「ルウコ、オレの部屋コッチだから」
と手招きした。
「あ、じゃあ後で」
頭を下げてソウちゃんがリビングから出るのに続く。
「えー!つまんなーい」と言う瑠璃さんの声が聞こえた。
階段を上がる途中、思わず笑ってしまった。