手を繋いで戻ると、明日香と幹太くんだけになっていた。
「アイツらは?」
「あぁ、今日のシークレット見に行くってさ。後で寄るって言ってた。テントも近くにうつしてきた」
(えー!!もうヤダ、あの人達)
ソウちゃんは不機嫌そうに「あっそ、荷物番って事ね」と言った。
「ルウコ大丈夫?」
明日香が心配そうに言った。
「うん。全部吐いちゃったから大丈夫だと思う。一応胃薬は飲むけど」
「ビックリしたー。もう、誰よ!ルウコのそばに酒置いたのは!」
「アキトだろ?」
ソウちゃんがため息をついてボケットからタバコを出して口に運ぶ。
あまりに自然で誰も何も言わなかったし、あたしも何も思わなかった。
「アイツ、昔から人のモノ大好きだから。ルウコの事狙ってたの見え見え」
煙を吐いて、ソウちゃんが急に「うお!!」って言って慌ててタバコを消した。
「何してんの?・・・ルウコに内緒だったの?タバコ吸ってる事」
明日香が不思議そうにあたしとソウちゃんを見た。
「吸わねーよ!間違い!今の幻だって」
焦っているけど、あたしは何となく気付いてたし。
「別にいいけど?知ってたもん。そうだろうなって。幹太くんと明日香、普通に吸ってるじゃん」
指差す2人の手と口にはタバコ。
「ルウコの前で吸うなよ!身体に悪いだろ!!」
ソウちゃんって変な所にこだわる人・・・。