夏休み、2泊3日の野外フェス。


「暑いー、もうクタクタ」


明日香がテントの前に座り込んだ。


「何言ってんだよ、これから予定ビッシリよ?」


幹太くんがTシャツを脱いでタンクトップになる。


「そうだけど、あたしとルウコが見たいのは1時間後だから寝る!あたし寝る」


そう言って、テントへ身体半分入れて寝転んだ。


あたしはタイムテーブルと格闘中。


「どうした?」


ソウちゃんが一緒にタイムテーブルを覗き込む。


「あたしと明日香が見たいのがね、これとこれ。でもステージが離れてるんだよね・・・間に合うかな?」


「あー、レッドとグリーンなんだ。これは間に合わないな。どっちか半分諦めて移動時間かな?」


「やっぱりか・・・」


ちょっとガッカリするあたしの頭に自分のキャップを被せる。


「熱中症になったら終わりだよ?」


笑いながら言った。


「帽子くらい持ってきてますよ!」そう言って自分の帽子を被る。


「あっそ。さて、オレらはそろそろ行きますか」


幹太くんに声を掛けて、クーラーボックスからペットの飲み物を出す。

それをカーゴのハーフパンツのポケットに突っ込んだ。


「え?何見に行くの?あたしも行きたい!」


「ダメー。これは男ばっかりだし狭いハコでみんな暴れるからルウコ怪我しちゃうからね」と言って、元気に2人で走って行ってしまった。