そんな明日香と2人で空をボケっと見ながら、何となく口に出た言葉。
「明日香、初めてって痛いの?」
「え?」
「いや、何となく思っただけ」
明日香はあたしをマジマジと見た。
「ルウコ、もしかしてしちゃうつもり?」
「うーん、出来れば夏休み中にとっとと済ませたい・・・言い方変だけど」
あたしが親からもらった「自由な時間」は夏休み。
大好きな人とそうならないで病状が悪化するとかは嫌。
「そりゃ、痛いけど・・・」
「やっぱりか。怖いなー」と笑ってみる。
「でも、すごく好きだから痛いけど幸せって感じがした」
「へー・・・」
「ソウちゃんなら大丈夫そうだけど・・・。ってより、そんな事していいのかって悩みそう」
「だよね、大丈夫なんだけどさ。病気がわかった以上、色々な事に神経使わせるから、心配ないよっていうあたしなりの決意なんだよね」
「あ!いい所知ってるんだ、あたし。ソウちゃんとお泊まりしてきなよ」
明日香の方が妙に張り切ってオススメなペンションの話をした。
「有無を言わせないって事で予約しちゃいますか!!」
2人で笑いながらソウちゃんの予定も心の準備も無視して電話で予約してしまった。